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マイケル・ポーターの3つの基本戦略とは?コストリーダーシップ、差別化、集中を解説!

マイケル・ポーターはアメリカの経営学者で、経営戦略論の大家として有名な人物です。

この記事では、マイケル・ポーターが提唱した3つの基本戦略、「コストリーダーシップ」、「差別化」、「集中」について解説していきます。

①コスト・リーダーシップ戦略

コスト・リーダーシップ戦略とは、ライバル企業よりも低いコストを実現することで、持続的な競争優位を得ようというものです。

より低いコストが実現できれば、ライバル企業と同じ価格で商品やサービスを販売した場合、ライバル企業より大きな利益を得ることができます。また、ライバル企業と市場シェアの争奪戦になった場合でも、低いコストによってライバル企業よりも安い価格で商品やサービスを販売することができるため、有利に競争を行えます。

ときどき誤解されますが、低いコストを実現することがコスト・リーダーシップ戦略の本質であるため、赤字覚悟で商品やサービスに安い価格設定をすることは、コスト・リーダーシップ戦略ではありません。

どうやってコストを低くするの?

コスト・リーダーシップ戦略ではコストを低くしてコスト優位を実現することが重要ですが、コスト優位を実現するための論理として主に2つが挙げられます。

  1. 大量生産、大量販売(規模の経済)
  2. 経験曲線理論(エクスペリエンス・カーブ理論)

1つ目は大量生産、大量販売です。大量生産や大量販売を行うことで、製品1つあたりにかかる平均コストが低くなります。

なぜこのような現象が起こるのか以下で説明していきます。

生産費や販売費は、「固定費」と「変動費」の2種類の費用で構成されています。

固定費とは生産量に関係なく発生する一定額の費用のことで、従業員に支払う人件費や建物や設備などの減価償却費などが含まれます。一方、変動費とは生産量に比例して発生する費用のことで、原材料費などが含まれます。

そのため、生産量や販売量が増えれば増えるほど、製品1つあたりにかかる平均固定費が低くなっていきます。その結果、大量生産や大量販売を行うほど、製品1つあたりの平均コストが低下します。つまり、1000個の製品を生産するときよりも、2000個の製品を生産するときのほうが、コストが安くなるということです。

このような現象は「規模の経済」と呼ばれています。

  • 1
    いっぱい作る
    製品を大量生産すると・・・
  • 2
    固定費が分散される
    製品をいっぱい作るとその分固定費が分散されます。
  • 3
    結果コストが低くなる!
    固定費が分散されるので、製品1つあたりにかかる平均コストが低下します。

2つ目は経験曲線理論です。経験曲線理論とは、経験(ここでいう経験は累積生産量を指します)が増加するにつれて、製品1つあたりにかかる平均コストがだんだん減っていくという理論です。

経験の増加によってなぜ平均コストがだんだん減っていくのでしょうか。それは経験の増加によって「学習が進み労働者の能率が上がる」、「作業方法の改善が起きる」、「有効な資源活用法を学習する」などの原因が指摘されています。つまり、経験が蓄積されていくことによって、コストを下げる様々な方法を学習していくということです。

経験曲線理論では、1000個目の製品の生産コストよりも、2000個目の製品の生産コストのほうが安いということになります。

  • 1
    経験が増加していく
    製品をどんどんつくることで累積生産量が増加します。
  • 2
    学習が進む
    従業員「だんだん作業に慣れてきて、コツが分かってきたな・・・」
  • 3
    結果コストが低くなる!
    コストを下げる様々な方法を学習していくことで、コストが低下します。

②差別化戦略

差別化戦略とは、独自性のある商品やサービスを開発することで、競争優位を獲得しようという戦略です。
差別化には以下のようなものが挙げられます。

  1. 製品の機能
  2. 製品の品質
  3. 製品のデザイン
  4. ブランド
  5. アフターサービス

独自性のある商品やサービスを提供することができれば、ライバル企業に対して競争優位を築くことができますし、多少高い価格でもお客さんにその商品やサービスを受け入れてもらうことが可能になります。

マイケル・ポーターは自身の著書「競争戦略論」において、「競争戦略の本質は差別化である」として、差別化戦略の重要性を主張しています。

③集中戦略

集中戦略とは、特定の顧客グループや製品ライン、または特定の地域に「集中(特化)」する戦略のことです。
この集中戦略は、さらに2つに分類されます。

  1. コスト集中
  2. 差別化集中

1つ目のコスト集中は、ターゲットとする市場で低コストで販売を行おうというものです。

2つ目の差別化集中は、ターゲットとする市場で差別化された商品やサービスを提供しようというものです。

この集中戦略は、企業が特定のターゲットに絞って競争を行うことで、より効率的にライバル企業と戦えるという考えに基づかれています。

おわりに

以上が、マイケル・ポーターが提唱した競争の3つの基本戦略となります。

これらの戦略は実際のビジネスでも使えますし、考え方を応用することで日常の様々な場面でも使うことができると思います。

参考文献
坂下昭宣(2007)「経営学への招待(第3版)」白桃書房
ヘンリー・ミンツバーグ(1999)「戦略サファリ」(木村充・奥澤明美・山口あけも訳)東洋経済
マイケル・E. ポーター(1999)「競争戦略論1」(竹内弘高訳)ダイヤモンド社

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